永井洋子(ながいようこ)
インスタレーションアーティスト
フラワーデザインスクール「アトリエ ヨーコ」主宰
池坊正教授一級
フラワーデザイナー一級
フラワー装飾技能士一級
NFD講師
古民家を桜で飾るイベントや、百貨店などで「地球に届けたい神様からのおくりもの」「Love Flower & Love Life 〜花と暮らすというしあわせ〜」など、音楽やカラーセラピ ーの要素と共に自然の大切さをアピール
2009年よりエフエムEGAO「ラジオ de セラピー」の番組主催
2016年イギリスの「DISCOVER THE ONE JAPANESE ART」大賞受賞(作品「ヴィーナス」)をはじめ、国内外での出展、受賞多数。
「Love in Action The Story of Mother Teresa」(愛の実践者マザーテレサ物語)2021.11刊行オールカラー40ページ・完全和英対訳永久保存版。表紙に「ヴィーナス」使用。奥付に表紙作品アーティストとしてプロフィール掲載
2019年12月24日
生け方はお花に聴く
—— 今日は永井洋子さんをお迎えしています。永井さんは横浜で開かれた「国際平和美術展」のために上京されました。昨秋、同じ作品がウィーンでも展示されたそうです。早速お話を伺っていきたいと思いますが、永井さんがお花を始められたきっかけを教えていただけますか?
永井:はい。7つ違いの姉がいるんですけれども、お花のお稽古だったりお茶のお稽古だったり、近所の先生のところに行っていまして、私はもう姉が羨ましくて。母に「私も一緒に行きたいんだけど」って言ったら「あぁ、ちょっとまだ早いから中学になってからね」と言われまして。あら残念(笑)と思いながら、中学2年生から池坊に通いました。優しい先生で、行くのが楽しくて楽しくて。お花を1回活けて帰ってきますよね、家だとまた飾る場所によって「ちょっと変えなきゃなぁ」と活け直すから2度3度勉強ができる。ほんとに毎回楽しくって。そこが生け花の始まりです。
—— そうだったんですね。今はお教室を開いていらして、大勢の生徒さんに教えたり、国際的な展覧会、作品展、美術展に出展されて、賞をお取りになったり、外国でも活躍されるようになっていらっしゃいますね。
永井:はい、偶然のいきさつが色々ありまして、そういう結果なんですけれど。
—— のちにフラワーアレンジの方に進んでいかれたきっかけは何だったんですか?
永井:池坊の大学にも行きたいと思ったくらい、お花が好きだったのですが、女の子だし家から離れちゃダメと言われまして、京都には行けない。でもずっと池坊を勉強しながら、普通に OL してましたけれども、結婚してからですね。池坊の作品展に出すたびに、何センチの場所に飾って下さいって言われます。それが私としてはなんだかつまらなくって、もっと広い、大きなものを私は自由に活けたいと思うのに、例えば50センチと言われたら、隣の人とぶつかっちゃいけないから40センチぐらいのものを作らなくちゃいけない。いつもがっかりするわけですよ。先生の言う通りには活けたくないし自分の好きなように活けたいわけです。池坊が嫌いなわけじゃないけれど、もっと自由に活けられるものはないかなー?て考えた時に、フラワーアレンジに出会い、いったいどこで勉強すればいいのかなぁとお花屋さんに聞きに行ったら、「あそこに良い先生がいらっしゃいますよ」と言うので、じゃあ、と思ってお伺いして、CBC (中部日本放送) のアナウンサーをされていた先生のところで習い始めました。
—— 華道の池坊と、次に出会ったフラワーアレンジですけれど、何がどう違うのかちょっと簡単にお聞かせいただけますか。
永井:あぁ、そうですね。池坊というのはもともと仏花から始まっています。お寺のお供えするお花だったり、床の間飾りだったり、日本家屋に合うお花。壁があってその前にお花を置きますから後ろから見ることはないですね。だから三方見、正面か右か左か三方見となります。でも、アレンジの場合はテーブルの真ん中に飾ってありオールラウンドだったりします。
—— そうなんですね。それまで池坊でお花を活けていて、アレンジと出会った時どんな感じだったんですか?
永井:思ったものとまた違うって感じですね。というのはコサージュを作ったりとか、形を作ったり、丸や三角を作ったり、基礎はやらなくちゃいけないですけれども、私って意外に不器用だなってそこで気付くわけですよ(笑)。
最初の頃、なんでこんなに指が動かないんだろうと思って、器用だと思ってたのに不器用でした(笑)。そんなことで基礎をしっかりとやったおかげで今があるんですけど。
—— あーそこでしっかりと基礎固めされたんですね。
永井:そう。だからうちの教室は、やりたいもの、言ってください。なんでもお教えできますし、対応できます。
—— 今、岡崎のお教室に、お弟子さんは何人ぐらいいらっしゃるんですか?
永井:今現在来ている方で50人。
—— どんなお教室なんでしょうか。
永井: そうですね、いつも柔らかーい気持ちっていうのか、ゴムまりのような柔らかさで型にはまることなく自由にのびのびと作品を活けるなり作ってほしいなぁって、それがアトリエ ヨーコの想い、願いですが、一応勉強、基礎はやります。基礎をちゃんとやっていると、きちっと美しく見えるんですよ。焦点というものが一つ花にはあって、そこに向かって挿すというのが基本にあるんですね。そういうのを守っているとどんな風にやったとしても美しく見える。だから基礎は大事。けれども、そこに囚われてはだめですよって。自分がこうやりたいと思ったことはやったほうがいい。人と同じことをやっていても新しいものは生まれない。世界に一つという作品は、誰もやったことがないから、魅力もある。
—— なるほど。型を破って自分なりのオリジナルな世界へと広がりたい人もいるでしょうけれども…
永井:ほとんどの人はそうじゃないですよ。どうやって活けるんですか?って細かく細かく丁寧に丁寧に基本を教えないと、「やれません」て言われるような人ばかりですね。
—— まずは先生の作ったものを見たい。
永井:そして真似したい。だから一切私は見本を作らないです。
—— あ、作らないんですか!
永井:作らないです(笑)。ごめんなさい(笑)。
—— じゃあお花だけ置いて、各自好きなように活けてみましょうと?
永井:楽しくアレンジっていうのが中心なんですけれど、例えば行事がある月には、その行事はこういうことでってお話はします。
—— なるほど。目的にあったものっていうことですね。
永井:そうですそうです。今日のお花はこれですよって置いといて、皆さん、見て感じたままに何か作ってねって。
—— そうするとどんな仕上がりを目指すかはその人の中にしかないわけですね。
永井:で、その時に「先生、なんかわかりません」って言った方には「お花に聴きなさい」って言う(笑)。
—— お花に聴く⁈
永井:お花に聴きなさい、枝に聴きなさいって。枝がいくつか置いてあり、名前は同じだけれども姿は違うじゃないですか?こうなっている枝があればこうなっている枝も(笑)。だからその個性を見なさいって言います。で、一番その枝が輝くように活ければ、自然と美しくまとまってきます。
——だとしたら、お花を活けるっていうのは、何かこの内面的というか、そういう深みにその人が踏み込んでいく作業とも言えるのでしょうか…
永井:まあそれは人それぞれなんですけど。そうなる方はそうなるし、私がそうしなさいというわけではないんです。お花って不思議なことに、オアシスに挿していくと短い時間で完成するんですよ。「あ、今日もこんなに素敵にできたわ!」って。楽しいじゃないですか。ね?それで十分なんです、ほんと。
—— なるほど!お花を活ける目的は、そこら辺にある。
永井:あるんです。だから、年取った方や子どもたちにすっごいオススメなんです。「まあステキ!」と、みんなが褒めておうちも明るくなって楽しくなる。
—— そうですね。ところが何か正しいもの、お手本を真似て作っていると、その満足感を味わえない気がしますね。
永井:満足度が、先生と同じにできたから、で終わっちゃうじゃないですか。だけど自分で挿して置いていたら「私の作品」になるでしょう。
—— そうですよね。なんかそのすっきり感ていうか、胸がすっと、満足する感じがします。ところで池坊からフラワーアレンジに出会い、そこから今のようにフラワーアーティストになられて、何か変わったことはありますか?
永井:出会いがあったんですね。カラーセラピストの上村渉さん。お花を教えるにあたって、色の勉強をもっとしたいなと思った時期がありまして、ある女性に「私、カラーコーディネートの勉強をしたい。何と何を合わせたらいいだろうとか、そういうのを勉強したいんだけどどなたか先生知りませんか?」とお聞きしたら、「いい人がいるからお教えしますね」って。楽しみにお会いしたら、カラーコーディネーターじゃなくてカラーセラピスト、しかも男性だった。でもせっかく待ち合わせ場所に来て下さっている以上、お話聞かなきゃと思い、聞き始めたら、本当に大事なことだったんですね。カラーコーディネートって、肌に合う色とか表面的な感じですけど、カラーセラピーっていうのは本来大事なものを色で表す、色の本質の勉強でした。そこで上村先生についてしっかりカラーセラピーの勉強もしたんです。
—— あー、色とは何かみたいなことですね。
永井:そうしたらもう本当に深くて、それこそ古い古い昔は、色で治療もしていた。家の傍にあるお花に癒されて育っていく全ての人々。そんなことを色を通してお勉強しました。例えば暑いところに咲いてるお花は濃い色、寒いところでは薄い色だったりとか、自然の摂理でそうなっていて、そこに必要なものが咲いている。それは人間だけのためというのではないですけれど、地球上の動きですよね。そういうことを、あぁなるほどなーって気づかされたんです。
(インタビュアー・長岡 純)
Merry Christmas ❣
(インタビューのあとで) 永井さんの作品を拝見していると、どれも美しい。美しいけれど見て見てと自己主張してこない。でも自然とこちらの懐に入ってくる、僭越ですがそんな印象を受けます。その美しさに無理がなく自然と融合している印象を受けるのは、色とは何か?といった広く深い視野がその背景にあるからかもしれない、お話を伺ってそんな気がしました。次回もお楽しみに。
2020年1月1日(更新日:2020年1月6日)
海・空・花、神様からの贈り物
今回のインタビューは、永井洋子さんにお願いしています。
隔週で3回に渡って連載する、その2回目です。
—— 永井さんの代表作だと思いますけれど「ヴィーナス」、写真を拝見して、すごい触発されるというか、私もインスパイヤされる、なんかこう自分も一緒に海に向かって広がっていくような、そういう感じがする作品だなー、いつまでも見ていたいなーって思ったんですけれども。
永井:そうですか? 嬉しい。ありがとうございます。「ヴィーナス」は作る時に、サーっと映像が浮かんできたんです。
—— はー!先に映像が浮かんできたんですか?
永井:そうなんです。ある方から本に出す作品を送って下さいって言われて、
ま、お金もかかるから何回も断っていたんですけど、写真で残すのも一理あるかもしれない。父と母にずっとお勉強させてもらっていただけでは申し訳ない、本になったら、両親に見せられるなーぐらいの感じなんですけど。
そこで、サーっと浮かんできた映像、海で、花がバンってあるんですけど、 バラ が、
カラーセラピーで学んだ、人間に必要な色というものを紫からこう暖かい色…
—— チャクラの色のことですか?
永井:そう、チャクラの色をバラで当てはめていけば、自然の美しさと共に、お花の力そして色の力で、見て下さった方がホッとできるんじゃないだろうかと思って、それを当てはめたんですね。
—— なるほどー!
永井:見て下さる方を思って作った作品を写真に収めるというのは意味があると思って、
じゃあお受けしますと。
—— そこから始まったんですねー。
永井:そこから始まったんです。そして、出すにあたって、ヴィーナスの他にも何点か作って載せました。そしたらまあ、他の方の作品とはまた全然違う作品だという評価を頂いて、素晴らしいから次の本も出して下さいって言われるんですけどそこでもお断りしていたんですが、2011年3月11日に大震災がありましたよね。その1年後のニュースで福島に1本残った桜の木に花が咲いたのを見られた方が、ー 絶望の中に光を見た、残ったお花で救われた ー とか、ー 1本残った松で頑張ろうと思った ー と語っているニュースを聞いて、花の力ってあるんだなって改めて感じて、向こうの人たちを応援するための作品集だったらいいですよと言ったら、出版社の人たちがそちらを応援する本にしますということで『きらめく女流作家たち』という作品集の中に「祈り」という作品を載せていただいたのです。その売り上げは全て寄付させていただきました。それも海で組んで作ったんですけど、桜の枝も持っていって、カメラマンの方に何枚か写していただき、最高の瞬間でシャッターを切った 次の波でお花はすべて流されたんです(笑)。
—— そうなんですか!水際じゃなくて、本当に水
の来る場所で!
永井:そうなんです。潮は満ちてきますから、作る
時は砂浜で作ってもだんだん満ちてくるんですね。
ずっと見ていて、あ、いい波だなーと思って写したら、次の波でもう流れた(笑)。それが「祈り」。
—— 桜の季節って限られていますから、桜でやろうとしたら、本当にもう狙ってこの時にとか。
永井:そうですね。最初の作品の時も、スモークトゥリーを使いたい、器も作るから5月しかできないけど、それまで待てますか?と言ったら、ほんとはその時は出版できてなくちゃいけないんですけれど「待ちます」って言って下さったので「じゃあ、出します」ってなりました。
—— あぁ。
永井:で次の時も桜でしたいと言って桜の季節に間に合うように作ったんです。
—— 桜でやることに意味があるわけだから…やっぱり季節にちゃんと人間が合わせるっていうか。
永井:そうです。草土出版で3冊くらい作り、8年ぐらいしてからそれを見た別の会社から電話が来て、「あー素晴らしいですね、この作品は」って言われて。作品を出展して下さいっていうことで、イギリスまで行くわけです。
—— イギリスに行くわけですね。
永井:イギリスでの作品展に出展させていただいて、そこでグランプリを頂いたんです。
—— 海っていうのが、私も僭越ながらど素人ですけれど写真集を拝見していて、他のアレンジの先生方のとは違うなとすごく思ったんですね。何かその海だったり、鉄の器の器作りから始められたり、永井さんの中の、そのあたりに何か大切にしているものがあるのかなと思うのですけれども。
永井: やはり海と空って、もう地球そのものじゃないですか。
—— あー、なるほどねー。
永井:それよりも大きいものってないですよね。母なる海って言ったりします。包み込まれる。もうこれ以上の優しさはないでしょう、それが海。空もね。眺めるのが大好きなんですよ、空を。だからそんな空間の中で私のお花が作れたら、なんて素敵!って思って。まあ海に、大きな器の中に、花がパーッとそのままのイメージでなぜだか降りてきたというのもあります。写真は動かないですが海で撮ることにより、波が時間の経過も表現してくれるんです。
本にも書いてあるんですけれど、ほんとにもう自然の優しさっていうか、海は母の愛そのもの。皆さんこれを見たら、優しい気持ちにもなれるし、なんか落ち着く。それをリビングだったり皆さんがいるところに飾っていただいたら、みんなずーっと静かにいられるんじゃないっていうものなんです(笑)。
—— あーわかる。心がなんていうか、、、
永井: 心が解き放たれる。ほんとにすべてが神様からの贈り物ですよっていうことです。海もそうだし空もそうだし花だってそうでしょう?それですよね。
—— まさにそういうお心がそこに表されているなーって私も今伺っていてそう思いました。是非皆さんにも見ていただけたらと思います。
永井: ありがとうございます。
(インタビュアー・長岡 純)
謹賀新年
2020年1月13日
子どもたちに美しい地球を
今回のインタビューは、永井洋子さんにお願いしています。
隔週で3回に渡って連載される最終回となります。
—— 教えていらして、永井さんが先生として一番満足するというか、そういった時はどんな時なんでしょうか?
永井:そうですねえ…なかなかまだ、ちょっと出会ってはいないんですけど。「私はこうやって活けたいんです、先生黙っていて下さい」って (笑)、そういう生徒が現れてほしいと常々思っているんです。
—— あー、そうなんですね(笑)。
永井:先生に教えていただくことよりも、自分で自由にやりたいと私は思っていました。先生がこうしなさいって言うのが嫌だと思っていたから私はそういう風には教えないんです。
—— じゃあもう生徒さんがこういう風にやりたいという気持ちがあったらそれを尊重する。
永井:どんどんやってくださいって言う。
—— お花を活けることの意味みたいな部分、自分を表現するというか、自分の内面を形に表すっていうことなんですかね。
永井:はい。
—— そうするとなんかこう癒しというか、心の中とか、普段言葉にできてない気持ちとか、伝えられない想いとか、そういったものがお花を通してそこに現れるようなものなのかなって思ったんですけれど。
永井:まあでもやっぱりお花の美しさというのがあるので、ただ自分の思ったようにざざざっと挿すのではなくて、その時にお花がより綺麗に見えるようにと願いを込めて、挿してほしいなと私は思います。勉強していけば自然にわかると思うんですけど。
—— 自然にわかってくるんですね。
永井:わかります。ただね、習っていない方でもどんどんやっていただきたいと思うのは、お庭にあるお花をこれが可愛いと思ったら同じようにそれをただ挿せばいいじゃないですか。
—— それでいいんですね。
永井:それでいいと思います。
—— 私も庭のお花を、ちょっと切り戻したものなどを、がさつに挿して台所に置いたりしてるんです。結構自分では綺麗だわー、お花いいわーって一人で幸せな気持ちになりますけれども、そんなんでもいい?
永井:いいと思います。でもなかなかお庭の花さえも切れないじゃないですか。やっぱり勇気がいるでしょ?お花を切るの。
—— 切るのは申し訳ない気がしちゃってね。
永井:それを感じるというところまで来たというのはとても素晴らしい。お花に意識がいってるということだから。台所にお花があるかないかでやっぱり違うでしょ?
—— 華やぎますよね、その空間が。
永井:トイレにもお花が一輪あるかないかでは全然違うと
思うのです。
—— 素敵なお仕事だと思います。
永井:本当に私、お花をね、今仕事としていることがすごく嬉しいなぁって改めて思いましたね。
—— そうですかー。
永井:なかなか自分で教室を出すって言えなかったのね。英才教育のインストラクターを10年やったり、主人がドイツに赴任して1年後に私もドイツに渡り、そこで池坊とアレンジを教えてたんです。帰国して40歳過ぎてお花の教室をやっと開いたんです。
—— 満を持してそこまでいろんな経験を積んで来られてるわけですね。
永井:そう。だからほんとに今お花の仕事をできてることが嬉しいと思って。
—— 素敵ですねー。
永井:感謝しかないです。
—— 永井さんはいろんな写真集で「子どもたちに美しい地球や自然を残したい」っていうことを言ってらっしゃる。
永井:ほんとになんか心配なんですね。この地球って、政治見ててもおかしいし、いつまでこの緑の木とかお花が咲き続いてくれるだろうかとか、震災も含めて、地球も破壊するかもしれないとか思うと、孫が育つまで大丈夫かなとかその先はどうかなとか、いろいろ考えてしまうんですね。地球を守るっていう意識を一人ひとり持つことが大事じゃないですか。美しい海と美しい空、これっていつまでもあるわけじゃないかもしれないですよっていうメッセージを込めて作品を作っているんです。
—— 地球の未来を憂いていらっしゃる。でもみんなやっぱりなにがしかの形でこのままでいいのかなっていう思いがあるかもしれない。
永井:五島先生*とお会いした時、「地球を救えるのはこれからは”美”だよ」とおっしゃってて、美、美しいもの、そういうものを見たり、そこに意識を持っていくと心がきれいになる。そういう風に五島先生が言って下さったことに本当に同じだと思って、嬉しいのです。で、政治家の方たちに特にこういうものを見てほしいし、戦争なんてやってる場合じゃないですよね。
(*純粋哲学研究会講師であり物理学者)
—— ほんとそうですよねぇ。子どもたちに美しい自然や地球を残せるようにという深い想いを持ちながら永井さんはこの先どんなご予定がありますか?
永井:うーん。国際平和美術展というのを毎年やっているんですけど、日本と、いろんな国ですね。こんな私でもちょっとは参加させていただけるかなという感じですね。まあ私はお花の世界で作品を発表していくというこのスタイルを変えない。これは生かされてやらされているのかなと思っているので。いろんな人との出会いが多分そういうことかな。
—— 出会いですね。
永井:カラーセラピストの方もそうだし、今一緒に仕事をしている深谷さん*とか音楽もそうだし、出版社の方、クオリアート <qualiart.co.jp> の方、皆さんと会うこと、それら全てがほんとにタイムリーな出会いなので感謝してます。やはり神様は私の活動を「やりなさいよ」と背中を押して下さっているんだなーって感じます。
( *深谷慶三氏:芸術に壁は無いという思いでシンフォニアとい
う集合体を2005年1月11日に立ち上げ、永井さんがお花
を、深谷氏が音楽を中心に、教室や色々な活動をしている )
—— そうですか。私もすごく共感させていただく部分が多いなぁと思いました。そして、永井さんの流れていくようなお話のバックグラウンドに、海の、ビーナスの姿が見えてくるような、そんなイメージを抱きながら聴かせていただきました。今日はありがとうございました。これからのご活躍を期待しています。
永井:ありがとうございます。
(インタビュアー・長岡 純)
成人式
おめでとうございます!